Filecoinのパートナーであるジョナサン・ドータン及びデータ整合性のためのスターリングフレームワークについて

https://filecoin.io/blog/starling-framework/

インターネットが誤情報*にあふれ、貴重なデータが意図的に隠蔽*されている現在、歴史を切り取り、検証し、保存するためにテクノロジーを活用することは、これまで以上に重要です。

https://www.theverge.com/2019/12/3/20980741/fake-news-facebook-twitter-misinformation-lies-fact-check-how-to-internet-guide

https://www.nytimes.com/2020/02/04/opinion/archives-document-destruction.html

スターリングフレームワークは、Filecoin上に構築された分散型ストレージソリューションであり、堅牢性の高いアーカイブを作成するために、Filecoinプロトコルとコア実装を使用しています。ホロコーストやその他の大量虐殺に関する証言の世界最大のアーカイブであるUSC Shoah Foundation*と、スタンフォード大学の両方でフェローシップを持つジョナサン・ドータンの先導により、スターリングフレームワークが立ち上がりました。

*https://sfi.usc.edu/

ジョナサンの最初の事業は、ホロコースト、アルメニア人虐殺、ロヒンギャ危機を含む大量虐殺や残虐行為を永久に目録化し、生存者の証言の改ざん防止台帳を構築することです。

スターリングは、紛争地域外のジャーナリストにとっても貴重なツールです。ロイターのジャーナリストは、有権者弾圧を監視するために、スーパーチューズデーの投票所の写真をキャプチャ、保存、検証するためにスターリングフレームワークを使用しました。

ジョナサンがどのようにしてStarlingとProtocol Labsに関わるようになったかをお話しましょう。

Filecoin:スターリングフレームワークを説明してください。そして、Filecoinはどのように使用されているのでしょうか?

ジョナサン: スターリングフレームワークは、組織が暗号化と分散システムを活用して、デジタルビデオや画像を認証することを可能にします。キャプチャ、ストレージ、検証の3つのモジュールがあります。そして、IPFS/Filecoinフレームワークは、この3つすべてに組み込まれています。

キャプチャ時には、ハードウェア(HTC)とソフトウェア(IPFS)の組み合わせにより、カメラからデジタルプラットフォームへのチェイン(訳注:ブロックデータ)を作成します。次に、画像をデバイス上のセンサーの配列からのメタデータとペアリングし、特定の日時、場所で撮影された映像であることを証明します。次に、映像はIPFSを使用して暗号化及びハッシュ化され、その映像の唯一の認証方法であるコンテンツ識別子(CID)が作成されます。

その後、データは複数のIPFSおよびFilecoinストレージノードに複製され、ネイティブにコンテンツ識別子 (CID) を使用します。コンテンツアドレスは、1 つのピクセルを変更すると、暗号化アルゴリズムが映像の全く異なるハッシュを生成するために強力です。URLではなくCIDを使用してデータを取得すると、そのデータの意図したバージョンを見ることが保証されます。本質的には、FilecoinとIPFSノードは、中央集権型システムよりもハッキングがはるかに困難な、分散型のグローバルネットワークを形成しています。

私たちが行っているすべてのことは、基本的に分散型計算とストレージのベースレイヤーを介して可能になります。

最後に、キャプチャとストレージのプロセスで生成されたすべてのハッシュに対処するために、私たちはハッシュ/認証管理システムを設計しました。その後、各組織は台帳上でハッシュを公開することで、このナレッジグラフはどのプラットフォームのユーザーからもアクセスできるようになります。

私たちの目標は、NGO、ニュースメディア、産業界の関係者と協力して、デジタルメディアにおける情報の不確実性を減らし、改ざん防止の歴史的記録を作成するのに役立つ新しいツールを開発することです。

Filecoin:スターリングフレームワークのアイデアはどこから来たのですか?大量虐殺への意識と予防に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

ジョナサン: 3年前、私は「最後のさよなら」と呼ばれるUSC Shoah Foundationのためのバーチャルリアリティ・プロジェクトを共同制作しました。私たちは、ホロコースト強制収容所の完全なホログラフィックモデルを写真測量で撮影し、ある生存者の証言を重ね合わせました。収容所の中を彼と一緒に歩くことができ、彼が母親と妹に会った最後の場所を見ることができました。その結果、トライベッカ映画祭とヴェネツィア映画祭に出品した素晴らしい作品ができあがりました。

プロジェクトを終え、ファイルの保管を始めたとき、私はUSC Shoah FoundationのCTOであるサム・ガストマンから、生存者の証言の写真やビデオをどのように保護しているのかを学びました。今日、彼らは世界各地にある3つの最先端の保管施設にファイルを保管しています。印象的ではありますが、もっとできることがあるのではないかと思いました。コンテンツは非常に繊細で脆弱です。そこで、分散コンピューティングを使えないかと考えました。それが私たちの活動の始まりです。

この財団の活動はホロコーストから始まりましたが、その後、世界中の他の大量虐殺も対象に拡大していきました。今日までに55,000人の証言を集め、9ペタバイト以上のデータを収集してきました。膨大なデータですね。規模感を説明すると、25年前のハードディスク、その当時で一般消費者が買える最大容量のハードディスクですが、それを積み上げれば、ギザのピラミッドよりも高くなります。本当に危機に瀕しているのは、これら物語を、永久ではないにしても何千年も保存出来るかどうかなのです。

だから私は注力することを決意しました。

その後、2018年にInternet Archiveが主催した分散型ウェブに関するカンファレンスで、Protocol Labsとつながりました。彼らの仕事について聞いたとき、すべてが一致しました。Protocol Labsはスタンフォード大学の卒業生で埋め尽くされており、工学部の尊敬する教授陣からもProtocol Labsへ協力していました。だから、この2つの大学を一緒にして、Protocol Labsと技術パートナーのコンソーシアムでタスクを引き受けるのは自然な流れでした。

Filecoin:スターリングフレームワークは、画像や動画を検証する他の技術、例えばファイルのハッシュやメタデータの追跡、フェイクニュースに対するAIソリューションなどとどのように違うのでしょうか?

ジョナサン: 現在市場には、アプリやOSの機能を利用してファイルが変更されたかどうかをテストするソフトウェアベースのツールが数多く出回っています。我々はハードウェアベースのシステムで、各写真/ビデオに一意に署名し、それを使用して2つのハッシュを作成します。その後、コンテンツをFilecoinネットワークに登録します。台湾のNumbers Protocolと呼ばれる素晴らしいチームと協力して、私たちはProof Modeと呼ばれるオープンソースのライブラリに貢献し、Guardian ProjectとWitnessとTextileの素晴らしいツールを活用してシステムを構築しました。その後、Small Data IndustriesとPost Light Studiosと共同でオープンソースのCLIとAPIを構築し、ユーザーが高度な暗号化のためにファイルをFilecoinにオンチェインできるようにしました。

スターリングフレームワークは、現在存在する検証方法を置き換えるものではなく、それを補強するものです。今日の報道機関の人々が直面している困難な作業について考えてみると、ビデオを入手して、それを検証して公開するのに数時間、あるいは数分、あるいはそれよりも短いかもしれません。

コンテンツを受け取ったジャーナリストは、映像以外にもさまざまなことを検証できるようにしたいと考えています。彼らは、ビデオの中で起こっていることが実際に起こったかどうかを確認するための方法を探したいと考えています。

長い目で見れば、この技術は、オンライン上でのフェイクやその他の誤情報に対抗出来る信頼の根源を作る上で非常に貴重なものとなるでしょう。私たちは基本的なことをカバーする必要があります。すなわち、明確で安全な記録の作成です。私たちが大量虐殺の証言から始めているのは、この件が普遍的に理解されていること且つ人々がより少ない摩擦で参加できる方法だと考えています。

Filecoin: スターリングフレームワークを開始してから反応はどうでしたか?

ジョナサン: 私たちの行動にはバイパスがあるので、現場で安全にスターリングフレームワークを実装し、使用方法を見て学びたいと思っていました。

今年の初め、ロサンゼルスのホロコースト生存者、イラクのクルド人難民、アマゾン熱帯雨林のAchuar先住民のリーダーの証言を記録するために、3つのケーススタディに私たちのテクノロジーを適用しました。結果は良好でした!映像が戻ってくると、これらの映像が特定の時間と場所で撮影されたものであることを永遠に証明する強力なメタデータが付与されているのを見るのは、とても迫力がありました。そして、Web上でファイルを複製すると、その事実はデジタル認証のネットワークによって、ますます深みを増していきました。すべてのデジタル信号がこの重要な証言の証人となっているのです。

上記のケースはまだ単なるテストに過ぎません。暗号技術が人類の歴史を保存しデジタルメディアの信頼を回復することを理解したところです。

私たちの目的は、未来の残虐行為を防ぎ、過去の残虐行為を忘れないようにすることです。これらは、文明としての私たちにとって非常に現実的で人間的な価値を持つ重要な物語であり、それらは保護され、保存されなければなりません。

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