Filecoin Orbit 2021の振り返り メインネット開始1周年記念

Filecoin

Filecoin Orbit 2021は、2021年10月18日から22日にかけて、Filecoinメインネットの立ち上げ1周年を記念するイベントが開催されました。イタリア、中国、ナイジェリアや日本など、世界中でカンファレンス、ワークショップ、ミートアップ(バーチャルと対面の両方)などが開催されました。

Juan Benet氏は、開始からの過去1年間におけるFilecoinコミュニティの成果を称賛する講演を行い、ネットワークストレージパワーの驚異的な成長などを紹介しました。
「12EiBは膨大なストレージ容量であり、これは世界中の3,000以上のストレージプロバイダーにより提供されています。」

◎Filecoin Orbit 2021:34イベント、12カ国、5大陸、20,000人以上が参加

この週は、有益なイベントが満載でした。以下はイベント概要です。
講演の全リストはFilecoin Orbit YouTubeプレイリストでご覧ください。

お知らせ

Filecoin Virtual Machine

Filecoin Virtual Machine (FVM)を発表します。

Protocol Labs社のRaúl Kripalani氏は、「FVMの目的は、ユーザーが独自のスマートコントラクトをFilecoinブロックチェーン上に展開できるようにすることです。」と明かしました。「FVM上で構築できるものは非常に多く、私たちはとてもワクワクしています。私たちが本当に望んでいるのは、ここでの可能性について皆さんに考えてもらうことです。」と明かしました。

FVMは、Filecoinのブロックチェーンに、一般的なプログラマビリティとFVMスマートコンタクトとの互換性をもたらします。Filecoin Orbitの参加者は、FVMについて、そのビジョンやFVMによって開かれる可能性、実装ロードマップ、参加方法などを知ることができました。

Internet Archive

InternetArchiveは、価値のある情報を安全で堅牢な方法で保存するために、FilecoinとIPFSの可能性を最初に注目した組織の一つです。その使命を果たすために、Filecoin Foundationとの協力が2020年4月に発表されました。

Filecoin Orbitでは、Internet Archiveの創設者であるBrewster Kahle氏は、知識を保存記録することの重要性を以下のように指摘しました。「私たちはインターネットを永続的なものにしたいと考えています。なぜなら、World Wide Webが作られたときには、長期的に利用できるような構造ではなかったからです。FilecoinとInternet Archiveはこれらの問題解決を目指しています。」

Truth Machine

ChainlinkをFilecoinのエコシステムに統合することで、分散型オラクルネットワークなど、これまで実現できなかった多数のスマートコントラクトが可能になります。

Chainlinkの共同設立者であるSergey Nazarov氏は、ファイヤーサイドチャットにおいて、これらの新機能についてJuan Benet氏と議論し、どのようにして、暗号で検証されたシステムが大きな問題の解決に役立つかについて語りました。

Zcash

先月、Protocol LabsとElectric Coin Company(ECC)、Ethereum Foundationは、ECCのZcash用再帰システムであるHalo2の研究開発のためのパートナーシップを発表しました。Zcashはプライバシーを強化する暗号通貨として知られていますが、Halo2はブロックチェーンのスケーラビリティのでもあります。FilecoinOrbitのキーノートパネルでは、Zcashの生みの親でECCのCEOであるZookoWilcox氏とFilecoin Foundationの議長であるMartaBelcher氏が、Haloのゼロ知識証明システムの拡張と、その新しい技術がどのように利用されるかについて話し合いました。

また、Zooko氏はプライバシーの観点からweb3.0についてこのように語りました。
「多くの人がプライバシーを『秘密』と考えていますが、私にとっては『同意』であり、自分の生活の中で誰と情報を共有するかを選ぶべきです。Web3.0では、自分の条件で情報を共有できるようにするべきだと思います。」

NFTs

OpenSeaは、Filecoinと統合し、クリエイターがメタデータを凍結できるようにした最初のNFTマーケットプレイスの1つで、NFTを長期的に検証可能かつ永続的なものにしています。

OpenSeaの共同設立者兼CEOであるDevinFinzer氏は、詳細な講演を行い、NFTのメタデータをFilecoinで保存することの利点について次のように述べました。「私たちはIPFSやFilecoinと密接に連携し、NFTを作成する人々がメタデータの永続的な保存を可能にしたいと思っています。」

スタートアップへの要望

Protocol Labsは、Filecoin Orbit週の初めに、Protocol Labsネットワークが新規および既存の企業をサポートしながら「crypto-native」スタートアップへの参加を広く呼びかけました。このチームが提供されるサービスを利用して、中核的な技術的問題の解決を目指しています。

Filecoin Foundation

急成長中のFilecoin Foundationは、Filecoin GreenとZcashのセッションに参加したほか、Filecoin Orbitの開催期間中にいくつかのイベントに参加し、ホストを務めました。
Web3.0におけるガバナンスの考え方と、それがFilecoinのエコシステムにどのように関連するかをテーマにしたタウンホール形式のイベントが開催されました。

Filecoin Green

Filecoinのストレージプロバイダーは、どのようにして検証可能な環境的にブロックチェーンの構築をリードすることができるのでしょうか?
Juan Benet氏、そしてFilecoinGreenのプロジェクトリーダーであるAlanRansil博士ラドバウド大学コンピュータサイエンス准教授のHaraldVranken氏など、Filecoinエコシステム内の主要なステークホルダーがこの疑問を探り、Filecoinにおける持続環境の可能性の道筋を明らかにしました。

また、Juan氏は、「Filecoinは環境に配慮し、二酸化炭素の純排出量を1000 CO2/kgにすることを目指すべきである」と述べています。

私たちは、Filecoinがウェブ全体を通して、環境に配慮したイベントや助成金などの支援を計画しています。Filecoin Slackの#fil-greenに参加すると、新しい機会について、いち早く知ることができます。また、この分野で構築する必要があると思うものをGithubで教えてください。

Filecoin Project Gravity

数週間前に発表されたFilecoin Orbitでは、Protocol LabsのMarina Kostioutchenko氏からFilecoin Project Gravityについて学ぶ機会がありました。このプログラムは、期間限定のコミュニティ紹介プログラムで、大規模なデータセットを持つ顧客をFilecoinネットワークに引き込むことに成功したストレージプロバイダーは、FIL賞を受け取ることができ、「データグラビティプル」に貢献することができます。

「Filecoin Project Gravity」の販紹介プログラムの登録は2021年12月1日からです。

ハイパードライブ

Filecoin Orbitの直前に、Filecoinメインネットはハイパードライブの大規模なアップグレードを実行しました。Filecoin OrbitのセッションでProtocol LabsのZX氏は、「ハイパードライブは、基盤技術の向上によりデータ転送速度を10~25倍に向上させる。」と述べています。

ネットワーク全体の利便性が向上し、ストレージクライアントやアプリケーション開発者は、メッセージのデータ転送速度の向上による恩恵を受けました。
しかし、最も注目すべき改善は、新たなスケールメリットと、迅速なキャパシティオンボーディングレートです。これらは、ハイパードライブがFilecoinのエコシステムにもたらした利点のほんの一部です。

Starling Lab

USC Shoah Foundationスタンフォード大学電気工学科が共同で開発したStarling Labは去年、ニュースから歴史的な記録まで、さまざまなアプリケーションにおいて、誤報対策、出所の追跡、情報の不確実性を低減させる新しいフレームワークを発表しました

スタンフォード大学のブロックチェーン研究センターと、スタンフォードコンプレッションフォーラムのJonathan Dotan氏は、Starling Labの進捗状況と、人権の向上について説明しました。

また、Dotan氏は、オープンソースにおける多様性と包括性の向上を訴えました。「私たちは、オープンソース技術開発のエコシステムに関する統計を見ながら、適切な包括性を確保するための対策を講じる必要があります。」と述べました。

Hackathons

この1年で、FilecoinとIPFSのハッカソンが30回以上開催され、何十もの素晴らしいプロジェクトやアプリケーションが開発されました。
Protocol LabsのLukas Bresser氏は、昨年のハッカソンのハイライトを紹介し、Filecoin ハッカソンウェブサイトを最近立ち上げたことを発表しました。このウェブサイトでは、現在行われているすべてのハッカソンの情報を見ることができ、今後のHackathonsも発表される予定です。

Web3.0ブラウザ

昨年、Web3.0テクノロジーを搭載したブラウザの統合は、FilecoinとIPFSがBraveOperaなどとコラボレーションするなど、新たな節目を迎えました。「NFTsの登場により、ウォレットを介して暗号化された資産を持ち、コミュニティとの交流や購入した暗号化された資産を常に閲覧できるブラウザには、どのような機能があるのでしょうか。Protocol LabsのDietrich Ayala氏とBrave社のAnirudha Bose氏は、この質問と、Web3.0のブラウザに基本的な分散型ストレージ機能が搭載されるようにするための方法について語りました。

Filecoin Orbit グローバルコミュニティイベント

Protoschool & KEN Labs テクノロジーの公開日

Filecoinの愛好家たちは中国の成都にバーチャルと対面の両方で集まり、リトリーブ取引に関するセッション、IPFS開発者チュートリアル(中国語)などの講演を行い、その後には、熱々の鍋料理が振る舞われました。

Filecoin Orbit 2021、ナイジェリア ラゴス市

ナイジェリアのラゴスでは、Chukwuemeka Enoch M.が西アフリカのFilecoinコミュニティを集めてFilecoin Mainnetアニバーサリーを開催しました。

Filecoin Orbitイベント2021、ナイジェリア ワリ市

ナイジェリアのワリでは、GDGワリ・コミュニティがFilecoinコミュニティと協力して、2021年10月23日にFilecoinメインネットアニバーサリーを開催しました。主催者であるCharles Freeborn氏によるIPFSとFilecoinの紹介を中心としたイベントでは、過去最高の30人の参加者が集まりました。

また、Canza FinanceのOyedeji氏は、アフリカ市場におけるIPFSの状況について、ライブバーチャルトークを行いました。このイベントでは、Protocol LabsのColin Evran氏がオープニングキーノートを行いました。

Enter the メタバース~Filecoinメインネット立ち上げ1周年記念イベント

FilecoinストレージプロバイダーのマーケットプレイスであるFilSwanは、Filecoinメインネット開設1周年を記念して、初日はプレゼンテーション、2日目はワークショップからなる、2日間のオフラインイベントを開催しました。

このイベントでは、ストレージプロバイダーやエコシステムビルダーのほか、Nebula AI、FBG Capital、Tuninsight AI、Application Research GroupJimmy Lee氏、Protocol LabsのJonathan Victor氏、Fei Yan氏、PiKNiK CTOのStuart Berman氏など、活発なコミュニティメンバーがプレゼンテーションを行いました。また、Protocol LabsのStefaan Varvaet氏がオープニングスピーチを行いました。

Matrix Storage x Athena Pool 1周年記念イベント

Matrix Storageは、中国の成都でFilecoin Orbitミートアップを開催しました。Matrix Storageはオフラインのイベントを開催し、50人以上が参加しました。伝統的な産業からの参加者もいましたが、分散型ストレージソリューションに非常に高い関心を持っており、全体的に非常にポジティブなフィードバックが得られました。

Filecoin1周年記念

日本におけるFilecoinコミュニティは急速に成長しており、IPFSとFilecoinを中心とした技術で日本の産業競争力の向上を目指すコンソーシアムであるIPFS Japanは、Filecoin Orbitを記念してオンラインウェビナーを開催しました。日本でストレージを提供している企業や、IPFSを活用したNFT事業を行っている企業などに参加を呼びかけました。

ファイルコインのイールドカーブの構築

Secured Financeが主催したこのセッションでは、ストレージプロバイダー、エコシステムパートナー、金融関連の専門家が参加し、コミュニティAMA、パネルディスカッション、Filecoinファイナンスの可能性についての話し合いが行われました。

Filecoin Orbit コミュニティイベント: 東・東南ヨーロッパ

この地域では、初めてイベントが行われ、2日間にわたって300人以上のコミュニティメンバーがFilecoin Orbitを祝うために参加しました。

Jimmy Lee氏によるEstuaryのライブデモや、分散型ストレージのエコシステムにおいてヨーロッパの開発者に与えられる機会について議論が行われました。Day1Day2をチェックしてみてください

1周年! 大中華圏コミュニティによる記念イベント

Artmix、Greater Chinaコミュニティ、COは、中国の西安からFilecoin Orbitの記念イベントを開催し、世界の注目を集めました

Web3.0メタバースでのFilecoinの紹介

できるだけ多くの開発者にこれらの技術とその上でどのように構築できるかを理解してもらうために、公式および非公式のトークで構成される仮想ミートアップが開催されました。

Filecoin Orbitリスボンミートアップ

リスボンのHeden Santa Apoloniaでは、Filecoinネットワーク1周年を祝し、特別なイベントが開催されました。

Filecoinメインネット記念コミュニティイベント

上海を拠点とするIPFSForceは、Filecoinエコシステムに関わる人々を招待し、Filecoinメインネットの立ち上げ1周年を記念して、200回目のForce Open Dayのバーチャルイベントに参加しました。11,000人以上がオンラインで参加し、Juan Benet氏とProtocol LabsのEcosystem LeadであるColin Evran氏によるプレゼンテーションや、Jimmy Lee氏によるEstuaryのデモンストレーションが配信されました。

ハッピーバースデーFilecoin

イタリアのフィレンツェでは、Futurix LabやMarvel GenerationなどのFilecoin愛好家たちが、Filecoinメインネットの1周年を祝い、ヨーロッパや世界でのFilecoinの次の展開について話し合いました。

Filecoinメインネット記念コミュニティイベント

PiKNiKは、サンディエゴのWeb3.0と暗号コミュニティのためにイベントを開催し、Filecoinの愛好家たちが美味しい料理と飲み物を楽しみながら交流しました。

香港、非中央集権型

ブロックチェーンに関わる全ての人や、プロジェクトのための非公式なカクテルネットワーキングイベントが、Forkastによって香港で開催されました。特に分散型コンテンツに関するweb3.0の将来の可能性について話し合われました。

Filecoinミートアップ2021アムステルダム

オランダのストレージプロバイダーであるDcentは、Filecoinメインネットの立ち上げ1周年を記念して、ヨーロッパのFilecoinコラボレーションの向上に関するラウンドテーブルディスカッションを含むコミュニティ主導のミートアップを開催しました。
このイベントは、ストレージプロバイダー、公証人、顧客、DAP開発者など、FilecoinやIPFSに関心のあるすべての人が無料で参加できるものでした。

10月 IPFS + Filecoin Orbit ミートアップ

ドイツ、ミュンヘンのIPFSグループは、IPFS/IPLDとlibp2pを含むプロジェクトに取り組む研究者や開発者とのミートアップを開催し、重要な役割を果たしているFilecoinメインネットの立ち上げから1周年を祝いました。

Web3.0 メタバーストラベラーズFilecoin Orbit

ケニアのナイロビでは、Web3.0メタバースによるイベントが開催され、CeloとBinanceからのゲストとともに、IPFSとFilecoinネットワークの相互運用についての議論が行われました。

Filecoin Orbitイベント2021ワリ

ナイジェリアのエフルン・ワリにあるStanbic IBTC銀行による、Filecoinメインネット立ち上げ1周年記念イベントがSkysense Hub, Effurun-Sapele Roadで開催され、Harles Freeborn氏が登壇しました。


その他のイベント

Filecoin Orbit 2021では、Filecoinの取引や、助成金の概要巨大データストレージLeague of EntropyのdrandWASMのIPLDVDFとMetaProofSnapDealsSNARKsなど、ここでは詳細を書ききれないほど多くのイベントなどが行われました。 これらをはじめ、Filecoin Orbitの残りの記録は、YouTubeのプレイリストで見ることができます。また、#FilecoinOrbitの内容は、Twitterで振り返ることができます

 Filecoin Orbit 2021にイベント主催者または参加者は、には大きな拍手を送ります。

次の展開 

Filecoinの次の目標は、来年もorbitを開催することです。
次の年がどんな年になるかは誰にもわかりません。しかし、確かなことは、私たちは重要な情報を保存するという約束のもと、コミュニティは成長し続けます。また、FilecoinとIPFSの開発者やスタートアップへの助成金も続く予定です。
新しいプロジェクトが登場し、既存のプロジェクトが改良され、クライアント、ストレージプロバイダー、日常的なアプリケーションユーザーからなる活発なエコシステムが形成され、グローバルで分散化された安全で回復力のあるストレージをすべての人に提供するというビジョンに向かって前進していきます。

このコミュニティに参加して、その後に続く多くの旅にも参加してみませんか?🚀


本ブログは、www.filecoin.io/blog からの翻訳となります。
ソース: (https://filecoin.io/blog/posts/filecoin-orbit-2021-recap/

IJC-media

IJC-media

IPFSを中心とした技術による日本の産業競争力の向上を目指すIPFS JAPAN コンソーシアムが、最新の世界動向や業界情報を配信するメディアサイト

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP