DataDAOの未来

Filecoin

本日のブログは、Olaf Carlson-wee氏の講演の要約をお伝えします。

DAO(Decentralized Autonomous Organizations、日本語訳:分散型自律組織)は、オンチェーンの活動と、参加者に代表される所有権とガバナンスを持つ分散型の組織です。Filecoinの立ち上げにより、特にdefi製品やプロトコルを監督・統治するDAOの非常に強力な製品市場が見えてきました。Filecoinには、データセットを保存する機能があり、Ethereumや他のチェーン上のDAOがその情報を提供し、より表現力豊かなアプリケーションをサポートするために活用することができます。

Filecoinネットワークが稼働し、運用が開始されたことで、私たちはDAOの製品市場に強いフィット感を感じています。DeFiプロジェクトやプロトコルをサポートするネイティブのオンチェーンやインターネットベースの企業構造を持つようになりました。Compound、Uniswap、Yearnなどのプロトコルは、従来のビジネスによって運営されるのではなく、DAOによって統治されています。収益はDAOに送られ、DAOは財務管理、契約のアップグレード、オープンソース開発者への支払いなどを行います。

これまでのところ、DAOは主に投資ファンドやベンチャーファンドとして見られてきました。このようなタイプのDAOが登場し、成功を収めてきましたが、特にDeFi製品とこのようなオンチェーンの組織構造との相性が良いと考えています。現在、DAOがEthereum上でスポンサーとなっているDeFiプロダクトの限界の1つは、Ethereumが事実上数学的なロジックに限定されていることです。ネットワークの設計上、より複雑なデータをエンドユーザーに提供する能力はありません。一般的に、これらの契約は数学的な問題を実行しているので、取引、融資、エスクロー、その他の基本的な金融プリミティブのようなものに非常によく役立ちます。時間の経過とともに、これらの基本的な金融の構成要素よりも更に高度なアプリケーションが見られるようになりましたが、まだ非常に数学的なロジックに限定されています。

今日では、これらの基本的な金融アクション以上のことができるDAOはありません。Filecoinの登場により、エコシステムは、DAOがFilecoinの上にどのようなタイプのビジネスを構築できるかを模索しています。このようなタイプの組織をDataDAOと呼ぶことができます。

例えば、膨大な量のデータを持つゲノムや研究データベースのような非常に大規模なデータセットを考えてみましょう。Filecoinは、これらのデータセットを冗長性の高い状態で長期間保存することができます。Filecoin上のデータセットをDAOが所有し、プロビジョニングするためのさまざまな方法を想像することができます。これらのDAOは、膨大な市場データを所有し、それを取引したい人に非常にリッチなデータセットを提供する事に特化したユースケースになるでしょう。

Filecoinより柔軟で表現力豊かなシステムの登場は、人々がスマートコントラクトを通じてデータにアクセスする方法として、以前はほとんど不可能だったこと解決出来る可能性があります。なぜならFilecoinが登場する前は、その情報をEthereumに埋め込み、その周りにスマートコントラクトシステムを構築する効率的な方法は、DAOはおろか、何もありませんでした。

Filecoinには、スマートコントラクトベースのアプリケーションにより可能性を世界に広げるための膨大な機会があります。これはDeFiと競合するのではなく、データストレージとデータアクセスを利用してスマートコントラクトシステムの中に組み込むことができる様々なアプリケーションの宇宙を広げているのです。

※配信元

https://filecoin.io/blog/posts/the-future-of-datadaos/

IJC-media

IJC-media

IPFSを中心とした技術による日本の産業競争力の向上を目指すIPFS JAPAN コンソーシアムが、最新の世界動向や業界情報を配信するメディアサイト

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP