2021年11月にFilecoin Virtual Machineを導入して以来、Filecoinのコミュニティはさらなる賑わいを見せています。今日は、3つのお知らせをお届けします。まず、今週初めにFVMリファレンス（ref-fvm）のレポをオープンソース化しました。2つ目は、新しいFVMのウェブサイトを立ち上げました。そして３つ目は、FVMファウンダリーをリードするメンバーをサポートするために、FVM アーリービルダープログラムを開催することになりました。詳細はこちらをご覧ください。
リファレンスFVMのオープンソース化
まず始めに、リファレンスFilecoin Virtual Machineの実装であるref-fvmをオープンソースで公開したことをお知らせします。
ref-fvmはRustで構築され、WASMエンジンとしてWasmtimeを使用し（エンジンの追加機能の取り込みも予定されています）、FVMのコアアイデアを実装しています。すなわち、extern境界とkernel境界（それぞれノード<>FVMとFVM<>アクターインターフェースに対応）、syscallパラダイム、IPLDインターフェース、コールマネージャと呼び出しコンテナの概念などです。
ref-fvmはpre-alpha v0の段階です（完全ロードマップをご覧ください）。Filecoinアクターv6とネットワークバージョン14以降をサポートしています。さらにコンフォーマンステストベクトを100％クリアしています。これは2000以上のテストベクターですが、次の週にはメインネットから直接ベクターを抽出するtvxツールを活用し、さらにカバレッジを高める予定です。
ref-fvm v0はプログラマブルFVMの基礎として配置しました。現時点ではビルトインアクターのみをサポートし、ユーザーが配置したアクターはv1でサポートされます。
ビルトインアクターのロジックは Forest の実装から分岐し、FVM で動作するように適合させました。現在はバイトコードのサイズや、パフォーマンスの最適化に取り組んでいます。
これらのビルトインアクターが安定したとみなされ次第、Filecoin Core Devsを別のレポにスピンオフするか、「canonical actors」に昇格させ、すべての実装で共通のものとして採用するかを決定する予定です。
強力なFVMエコシステムの構築
今回の公開は、FVMプロジェクト内の流れがより大きく変化したことを示すものでもあります。
私たちは初期のインキュベーション期間を終え、完全にオープンな状態での作業に移行ました。これからは。強力で参加型のコミュニティを構築することが、FVMの将来にとって不可欠であると考えています。
レポの公開と新しいウェブサイトの立ち上げにより、どのような形であれ、たくさんの方々に貢献していただきたいと思っています。
もしあなたがプログラマー（または勉強中の方）で、私たちと一緒にコードを書きたいなら、GitHub の hint/good-first-issue と書かれた課題をチェックすることから始めるとよいでしょう。
WASM VM、ガス、IPLD、その他の関連トピックについて提案や意見がある場合、またはユースケースについて考えていて何らかの指針が欲しい場合は、fvm-specsレポやFilecoin Slack #fvmチャンネルで気軽に議論を始めてみてください。
FVMウェブサイトの立ち上げ
この重要な開発マイルストーンと合わせて、Filecoin Virtual Machine プロジェクトの公式ホームである fvm.filecoin.ioを立ち上げました。このサイトでは、FVMが解放するすべての可能性と機会に刺激を受け、ロードマップについて学び、利用可能になったすべての開発者向けリソースを見つけることができます。
FVMファウンダリーの募集
また、FVMファウンダリーとアーリービルダーズプログラムも開始します。
FVMファウンダリーは、Web3.0開発者とFVMチームのコア開発者が集まり、知識を共有すること、そして将来的にFilecoinネットワーク上のイノベーションを起こす可能性のあるFVMの開発者がその上に構築したい次期アプリ、システム、プラットフォームなどが、技術要件を満たしているかを確認します。
スマートコントラクトプログラミング、大規模データ、コンピュートオーバーデータ、データガバナンス（データDAO）の専門知識と興味があるFVMファウンダリーのメンバーとなるアーリービルダーを募集しています。
ファウンダリーのアーリービルダープログラムは、2022年4月～6月に実施されます。FVMアーリービルダーには、FVMチームとの月例ワークショップへの参加や、ソリューションのアイデア出し、設計、初期テスト、開発者体験のフィードバックに取り組んでいただく予定です。
アーリービルダーには、FILで1回限りの奨学金が支給されますが、継続的な活動のために延長や開発補助金も利用できる可能性があります。
fvm.filecoin.ioで今すぐ応募してください。
その先は？
私たちはマイルストーン1（’22年3月）に向けて順調に進行しています。
マイルストーン1は、メインネットが現在のビルトインVMからWASMベースのリファレンスFVMに切り替わることを意味します。これには、実際のWASM実行コストを考慮した、まったく新しいガスモデルを搭載しています。マイルストーン1は、マイルストーン2（’22年6月）で導入される予定のユーザープログラマビリティへの道を開くものです。
以下は、今後数週間の間に予定されていることの一部です。
Lotus（リファレンスFilecoinクライアント）への最終的な統合。
メインネット上でLotus FVMカナリアノードをローンチ。
メインネットから抽出されたより多くのテストベクターによるテストカバレッジの向上。
FVMをメインネットに正式に導入するためのFilecoin Improvement Proposal (FIP)。
ガスモデルの変更を導入するためのFIP。
Forest、Venus、Fuhonが実行ランタイムとしてFVMに切り替える。
マイルストーン1のアップグレードを行うためのテストネット。
感謝
Protocol LabのFVMチームは、ChainSafeのForestチーム、Fissionチーム、ARGチーム、Filecoin Foundation、Alex Wade、Venus & Fuhonチーム、そしてこのマイルストーンを通してのサポートと協力、段階で私たちと一緒に働いてくれた多くのPL labberに対して感謝したいと思います。これはまだ始まりに過ぎません。
本ブログは、www.filecoin.io/blog からの翻訳となります。
ソース：https://filecoin.io/blog/posts/introducing-ref-fvm-a-new-fvm-website-and-the-early-builders-program/
コメント